よみがな:ほのいかづちのかみ
井上内親王は宇智郡に配流されたとき、懐妊していたと云われています。
宇智郡の社寺に安産祈願をして回り、無事に生んだのが火雷神です。
「御霊大明神縁起」によると、成人したのち、母や兄たちの流されたことを聞き、大変悔しがったそうです。
「われ神通力を起こして怨みをなしたる人たちを皆殺しにし、国中を暗闇にして、母や兄たちの怨みを晴らす」と言い、そのまま雷神となって空に昇り、都をはじめ諸国七堂に至るまで天地を動かし激しく雷雨を起こし続けました。
天皇が陰陽師に占わせると「これは井上内親王母子の崇りである」ということでした。
天皇は、井上内親王、早良親王、他戸親王、雷神を神として一所に祀り、井上内親王には御霊大明神の官位を授けました。
これにより雷神は「これより祟りをやめ、国家を守護する」として天に昇ったということです。
雷神は、御霊本宮と丹生川をはさんだ対岸にある火雷神社に鎮まっています。
井上内親王の御子であることから、「若宮」とも呼ばれています。