東大寺は井上内親王の父である聖武天皇が建立した寺です。
また、「御霊大明神御縁起」を書いた阿闍梨祐成は東大寺の高僧でしたが、
「身ハ東大寺ニ住スト云ヘトモ、心ヲ御氏神ヲ信仰申シテ」と、
この縁起を書いたと記しています。
また自分のことを記し、「房号春道、実名祐成、十六歳ノ時、野原良峯寺ニテ出家シテ、三十七歳ニ成ル、応永廿九年壬寅ノ年マデハ良峯寺ニ住セリ。(中略)三十七歳ノ年ヨリ見仏聞法ノタメニ、東大寺ニ移住シテ、今此略縁起ヲ記録スル。長禄二年戌寅ノ年ニ到ルマデ、叉三十七年東大寺ニ寺住セリ。然間当年七十三歳也。」と述べています。